食品卸主導で持続可能な社会を 国分グループ本社がSDGsステートメントを策定

国分グループ本社はSDGsステートメントを策定し、1日に発表した。持続可能な成長目標の達成に向け、1年をかけて重要6項目を選定。環境配慮やエネルギー削減へ向けたサプライチェーンの構築や高度なマーケティングによる豊かな生活の創出など、卸売業の機能や業務を通じて実現すべき社会の姿を掲げた。来期に始動する第11次長計(2021~2025年)にも柱となる取組みとして織り込む方針だ。

ステートメントは「300年間紡いだ商いを、次世代につなげていく。私たちは食を通じて世界の人々の幸せと笑顔を創造します」とし、声明を達成するための重要事項(マテリアリティ)に「地球環境」「食糧生産」「サプライチェーン(SC)」「マーケティング」「生活者」「人財」――の六つを設定。各事項で取り組む内容を明確にするため、行動基本方針、達成目標、KPI(評価指標)を定めた。

このうち地球環境への取組みは、資源の健全利用も通じて十分な食糧再生産が可能な環境の実現が目標。2050年までにグループ全体のCO2排出量ゼロ、オリジナル商品の環境配慮型設計への切り替えなどを掲げた。

食糧生産では携わるすべての人が適正な対価を得られる世界の創出を視野に、2030年までにフェアトレードやエシカル認証をもった商品群(サステナブルカテゴリーと仮称)の売上げで100億円超を目指すなど、インパクトある目標も立てた。

卸機能の発揮がとりわけ期待される持続可能なSCの構築に関しては、環境配慮とエネルギー削減を基本方針とする。達成目標を「SC全体の脱炭素化・廃棄物削減」とし、従来の物流形態にとらわれず異業種を対象とした共同配送や倉庫利用を加速。すでに採り入れている自然冷媒に加え、自家発電をはじめとする新技術を活用。2030年に食品ロスなどによる廃棄物を数量ベースで2017年比半減を目指す。

同様に卸機能の中核を成すマーケティングでは、グループ情報のインテリジェンス化による豊かな生活の実現を提唱。高鮮度な情報に基づくマーケティング戦略・グループ内情報の社員の効率的な活用体制を、5年後をめどに構築し、2030年までに生活者向け食の体験学習の実施を計画。地域行政との連携強化による生鮮事業の売上げ倍増も目標に掲げた。

このほか、生活者へ良質な食を安定提供できるサプライチェーン構築を図る。災害など緊急時の調達・供給体制の整備を進めるほか、物流シェアリングなどを活用した買い物弱者に向けたサービスの仕組みを構築する。

従来も進めてきた社内の人材制度などについて2030年時点での目指す姿を具体的に示した。上級職における30代の構成比を1割以上、女性の割合15%以上にするほか、男性の育児休暇取得を増やす。ダイバーシティ関連の教育制度を充実させ、全従業員が働きがいを感じられる環境整備を進める。

これらの内容は9月中旬に「KOKUBU SDGs STATEMENT」として公表する。SDGsに対する姿勢を明確にし、グループ内で共有するとともにパートナーとして活動を支える取引先への説明に生かしていく考えだ。

同日、本社でのオンライン会見に臨んだ同社・國分勘兵衛会長は「卸だけでなく食品業界の3層全体で一致団結して取り組むことが大切。同業を含め皆で手をつなぐための中心的な役割を果たしたい」とスタンスを説明。國分晃社長は「達成目標は相当高いハードルだが、数字を追うだけでなく経営とのバランスをしっかりとっていく」と、単なる環境対策に終わらせない考えを強調した。